訪問看護の現場で学んだ「看護の原点」

訪問看護に従事していると、必ずと言っていいほど「汚部屋」問題に直面します。しかし、訪問看護師としての大切な役割は、どんな環境であってもケアを提供し、利用者さんの生活を支えることです。今回は、まだ訪問看護の経験が浅いスタッフが直面したエピソードをご紹介します。

汚部屋での訪問看護の体験

ある高齢の姉妹が二人で暮らす団地のお宅を訪問したときのことです。このお二人は、若い頃は非常に立派な職業に就き、しっかりとした生活を送っていたため、福祉のサポートを受けるのが遅れてしまったケースでした。

訪問看護が介入するようになった頃には、家の中は物で溢れ、片付ける手段が見当たらない状況になっていました。しかし、長年この環境で暮らしてきたため、本人たちにとっては特に問題とは感じていなかったのです。そのため、片付けを提案しても受け入れてもらうのは難しい状況でした。

訪問を重ねる中で築いた信頼

訪問看護師は玄関でバイタルサインを測り、お薬のセットも玄関で行うといった訪問が、半年以上続きました。しかし、少しずつ訪問を重ねる中で、利用者さんも看護師の存在を受け入れ、やっと手すりの設置を許可してもらえるようになったのです。

この経験を通じて、訪問看護師は「利用者さんとサービスをつなぐ大事な役割」を果たすことを学びました。この出来事は、訪問看護師としての自分の原点であったようにも感じます。

利用者さんのプライベート空間を尊重する

訪問看護の現場では、利用者さんの自宅という「プライベートな空間」にお邪魔することになります。どんな状況でも、その空間を大切にし、利用者さんに信頼してもらうことが重要です。信頼があってこそ、より良いケアや支援につなげることができます。

また、利用者さんによっては、認知症やその他の疾患が原因で新しいことを受け入れるのに時間がかかる場合もあります。このような場合でも、焦らず、丁寧に対応し続けることが大切です。

まとめ

訪問看護の現場では、利用者さんとの信頼関係が最も大切です。どんな環境でもケアを提供するための工夫や忍耐が求められますが、それこそが訪問看護師のやりがいであり、成長の場でもあります。信頼を築くことで、より良いケアを提供できるようになり、利用者さんの生活を支えていくことができるのです。

参考URL: https://maruttocare-houkan-shinyoko.com/